「経験を資産に変える」50代からの起業を応援
「50代」という年齢に対し、世間はどのようなイメージを持っているでしょう。
かつては、会社ではそれなりの地位についてどっしり構え、まもなく訪れる定年後の悠々自適な毎日に備える…といった印象だったように思います。
実際30年程前までは、55歳定年が主流だったわけですからね。
しかしその後の法律改正によって60歳未満定年制が禁止となり、2012年には原則希望者全員の65歳までの雇用を義務化するよう決まったことで、働きたい人は65歳まで働くことができるという環境が整備されました。
現在では中小企業を中心、定年制を定めていない会社も増えてきていますから、50代はまだまだ「働き盛り」と考えるのが、ここ数年の時流と言えるでしょう。
ただ、その年代の方の想いに耳を傾けますと、事態はそう単純なものでもないようです。
多くの企業で人員削減が図られ、組織内の一人ひとりが抱える負担は確実に増えています。
そのため、50代の管理職も「プレイングマネージャー」と化し、そこからあぶれ出てくる日々の雑務に追われています。
私が見た組織の中には、苦情処理といった突発的な案件が全て管理職にまわされているという事例もありました。
このように、本来果たすべき職務を全うできず、「やりがい」を見失っている方は少なからずいらっしゃるようです。
また、定年近くで第一線を外され、「先が見えた」ことにより、組織内でこのままくすぶっているのが本当に正しい道なのかと、自問を繰り返す方も多く見受けられます。
おそらくはほとんどの方が、一度は「起業」というものについて考えたことがあるのではないでしょうか。
そして、50代という節目を迎えるに当たり、改めてその選択が頭をよぎった…という方もいらっしゃるはずです。
ただ、「もう年齢的に遅すぎる」とか、「今更挑戦なんてできない」という漠然とした不安を理由に、一歩踏み出すことをためらってはいませんか。
そのような方に私が申し上げたいのは、「実は50代こそ企業には打ってつけの年代」であるということ!
50代の方たちには、若い世代が持ちえない社会人としての経験や人脈、幅広い知識といった武器があります。
これは、かなり大きなアドバンテージです。
ただ、このような武器も使い方が分からなければ、「宝の持ち腐れ」で終わってしまいます。
まず、起業を行う上で絶対に忘れてはならないのが、「自分から会社という後ろ盾がなくなってしまう」という点です。
誰かと仕事を行う際、あなたは相手のどのような部分に注目してきましたか?
その人の属する会社の名前や、組織内での役職を重視していたという方が少なくないと思います。
おそらく相手側も、少なくとも初対面の際には、あなたのバックに控える会社の規模やそこでの立場を参考に、「見定め」を行っていたことでしょう。
規模の大小にかかわらず、組織に所属しているという事実がなくなってしまうのは、なかなか大きなことです。
自分という人間そのものに価値を付加する必要が発生するわけです。
それを忘れ、年下の相手に対し、まるで部下と接するように振る舞ったり、これまでの経歴にすがったりしていては、「起業家」としてのあなたの価値は、大きく失われてしまいます。
また、起業に当たっては、自らの選んだ道に信念や自信を持つことが不可欠ですが、これが「過信」になってしまった場合も危険です。
自分が組織の柱なのだからと、周りの進言に耳を傾けず、物事を独りよがりな判断で決めてしまっていては、その組織に発展は望めません。
悪い意味でのプライドは捨て、柔軟な考えを持って行動できるようになることが、成功の秘訣となります。
最後に、多くの起業家の失敗原因についてお伝えしましょう。
それは、「本当に自分がやりたいことを選んでいない」という点です。
余り精神論的な話をすることは普段控えているのですが、やはり起業に当たっては、その業務に対して情熱を傾けられることが必須条件だと考えます。
大きな利益が見込めそうだからといった理由のみで始めても、なかなか起業は成功しません。
これに対してなら、全力を傾けることができるという意思がなければ、少しの失敗にすらつまづいてしまう恐れもあるのです。
場所を選ばず地方で起業
起業をしたいけれど、今更住み慣れた場所を離れるという選択肢はない。
しかし、小さな地方で会社を興したとしても、成功は望めないのではないだろうか。
そのように悩まれ、一歩踏み出すことを躊躇されてはいませんか?
確かに、現在も東京へのさまざまな一極集中は続いています。
しかしながら、東京でなければビジネスの勝算はないなどといった状況は、とっくに崩壊しています。
むしろ、様々な業種が飽和状態になっていて、今後の大きな伸びしろが望めない首都圏よりも、地方で仕事を始めた方が、ずっと成功をおさめやすいと言っても過言ではありません。
近年はインターネットの普及により、東京とその他地方の間に横たわっていた「情報格差」もほとんどなくなりました。
今こそが、あなたが心から「働きたい!」と思える地域で起業するための、最適なタイミングと言っても良いでしょう。
私が担当している企業の多くも、地方にその本社を置いています。
そのため、一年中全国を飛び回る日々ですが、いったん飛行機や新幹線に乗ってしまえば、国内の移動はそれほど労力を要すものではありません。
会社とは、所在のある地域と密接に関わりつつ、共に成長を遂げていくものだと考えます。
その地方にしかない特色、特産物、人々の想い。この場所だからこそ会社を設立し、何らかの貢献を果たしたいと考える起業家の方もいらっしゃるでしょう。
それは、あなたの会社における重要な「資産」です。
そのような熱い想いに答え、希望する地域での起業をサポートするということも、私の大きな使命であると考えています。
まずは、小さな地方での起業はデメリットではないということを、心に留めていただきたいと思います。
起業塾より個人コンサルを選ぶメリット
起業するに当たり、「起業塾」の利用を考えていらっしゃる方も多いと思います。
もちろん、起業塾への参加にメリットがないわけではありません。
意志を同じくする方たちと集まり、交流や情報交換を行うことは、少なからぬモチベーションアップにつながるでしょう。
また、起業の概略や基本的知識について、おおまかに把握することも可能だと思います。
しかし、そこで伝えられる内容は、本当にあなたが必要としているものでしょうか。
実際にアクションを起こしたときに、具体性を伴い役立ってくれそうですか?
起業に際しては、やらなければならないこと、押さえておくべきポイントがたくさんあります。
限られた時間の中で、「使えるスキル」を効率的に習得するために、ぜひ「個人コンサル」という選択肢をご検討いただきたいと思います。
多くの企業塾やビジネススクールで語られるのは、「成功者と言われる人」の体験談であったり、経営知識の基礎であったりします。
しかしながら、そこで得た内容を完全に自分の型へはめ込むことは不可能ですし、応用を利かせて行動に移すということも、容易ではありません。
なぜなら、多くの参加者に向けて発せられる情報はあくまでも一般論であり、具体性に乏しく、即効的な効果を期待できるものではないからです。
これが、税務についてとか、法律に関して、などというようにもう少し細分化されていればまた別ですが、それでも「今の自分や目指すべき組織に足りないもの」を一人で見極め、過不足なく学んでいくということは、ほぼ不可能ではないでしょうか。
自分が習得したい知識が明確でない「完全なる受け身」の状態で起業塾に参加しても、モチベーションが上向いたという収穫だけでは、「自己啓発セミナー」に参加したのと何ら変わりません。